RandomWalker’s diary

読書と投資が大好き

「敗者のゲーム」になった資産運用

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備忘録

「敗者のゲーム」チャールズ・エリス著

 

今では誰もが知るロングセラー。

時代を超えて読み継がれる運用哲学のバイブルですね!

市場を忠実に反映したインデックスファンドに投資をすることを著者は勧めていますが、その理由として

「プロのファンド・マネジャーがきわめて優秀であるからこそ、個々のマネジャーは彼らの総体である市場に勝つことができない」からというわけです。

長期にわたりアクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由が、非常にロジカルに述べられています。

また、カギを握るのは「コスト」と主張しています。

アクティブ運用は調査費用などのため、インデックスファンドと比較してコストが高くなっている傾向にあります。平均への回帰の考え方からすると、投資期間が長くなるほど、投資成績は平均値に近くなります。そうなると、余分なコストがかかっているアクティブファンドは、どうしてもパフォーマンスが劣る、といわけです。

 

著者は上記について

「ネガティブサム・ゲーム」と呼んでいます。売り手と買い手の損益を合計すればもちろんゼロですが、手数料やマーケットインパクトなどを考慮すれば、全体としてはマイナスサムである、と。

 

著者は、

 

 

「長期投資の明確な目標設定に集中し、その目的を実現するために合理的かつ現実的な投資政策を選択したうえで、その政策を、自己規律を持って、忍耐強く、しっかり貫いていくこと」の重要性について詳細に語っています。

 

もちろん、ひふみ投信や、かつてのマゼランファンドなど、一部のアクティブファンドがインデックスファンドの成績を上回っていることも事実です。

 

しかしそれが、これから先10年、20年、30年と、長期にわたってインデックスファンドを上回ることができるかどうか。

 

マーケットというのは、人の心理的な面も大きく影響することから、確かに短期的には、実態とは大きくかけ離れて動いていくこともある。

 

そういった「隙」をつき続けていけるアクティブファンドがあれば、是非私も投資をしたいと思います。

 

だけど、そんな上手い話、やっぱり無いわけですよね。

マーケットは、非合理的なようで、長期的に見れば、実はけっこう合理的なんです。

 

人間なので

「一発大穴を狙いたい!」という欲もきっとでてくるでしょう。

しかし、投資においてはそういった欲を如何にコントロールするかが大切です。

そこで大事になるのが、「適切な運用ポートフォリオ」の策定であると思います。

運用のベースは、著者の主張の通りにするのがベターだと私も思います。

ただ、余剰資金を使って、自分なりの理論を市場にぶつけるのも、それはそれでアリだと思います。むしろ、そうすることで、マーケットの感覚というのは身についていくのではないでしょうか。

ウォール街のランダム・ウォーカー」や「波瀾の時代の幸福論」と共に、私に長期投資の「真髄」を教えてくれた本です。

是非、一読してみて下さい。