投資におけるコスト意識①〜販売手数料編〜
備忘録⑤
「長期投資のワナ」セゾン投信(株)代表取締役社長 中野晴啓氏
私が初めて中野社長の投資理念に触れたのは「草食投資隊セミナー」でのこと。
当時はまだ、今のような「低コスト」「インデックス」競争の波は無かったですね。
販売手数料も3%、信託報酬も2%近いものが、ごくごく普通に感じられていました。
正直私も、それが普通だと思ってしまっていました。
証券会社や銀行で積立投資をする際、ネットから手続きをして2%の手数料を支払った上で投資をしていく。だから、最初はマイナスからの運用スタート。
これはもう仕方ない。こういうものなんだ。
今考えると、とっても恐ろしい(笑)
中野社長はセミナーの中で、銀行や証券会社の販売担当者について、まぁだいぶ辛口に批評しています。
本書の中でも銀行の窓口で投信を勧める行員のことを「ただの売り子」「販売担当者は手数料が高い商品から勧めてくる」などと評価されています。
正直、その通りだというのが、私の個人的な感想です。
諸用で銀行に行った際、何気なく投信のチラシを見てたことがありました。
(バイオ関連のテーマ株ファンド…信託報酬高い!しかも信託期間が決められてる!)
なんて思いながら窓口で待っていると若い行員の方が
「投信に興味があるんですか?今それ、すごく人気があるんです。投資対象も有望ですし、良ければ話聞いてみませんか?」
とお声がけ下さったことがありました(笑)
誤解ないように付け加えますが、私は銀行手数料については、個人的には投資対象には絶対になりえませんが、決して悪だとは思っていません。
投資初心者の方が最初に投信に触れるのは馴染みのある銀行である場合も多いですし(最近はネット証券が勢力を拡大しているので、若い方はそちらが先になるでしょうが)、ネット申込に抵抗ある方が投資したい場合は、窓口で買う他ありません。当然、受付してくださる方の人件費等を踏まえると、手数料が発生するのは、当然のことだからです。
でも私は絶対に販売手数料は払いたくないです(笑)
積立投資の場合であれば、毎回手数料を2%支払うのと、ノーロード(販売手数料ゼロ)で積立するのでは、その段階で2%は確実に差がつきます。インデックスなど、配当を自動で再投資してくれるファンドであれば、その差はどんどん広がってしまうわけです。
幸いにして、「つみたてNISA」の普及で、銀行窓口メインで投資信託の購入をされていた方にも、コストについて考えるきっかけができたと思います。
これからの投資期間が長い方ほど、コスト意識は持つべきです。
そういった意味でも、楽天証券やSBI証券など、販売手数料ゼロのファンドが充実しているネット証券を利用すべきだと思います(本書のセゾン投信さんはほぼ直半メインですが)
米国に比べて、10年遅れをとっていると揶揄される日本の投信業界。
そんな中で、ネットの普及により「情報の非対称性」が解消されつつあります。
そんな中で大事になるのは、やはり投資する私達自身の金融リテラシーということですね。