地球温暖化の進展を抑えるため、国のほか自治体や企業などに対策づくりを求める「気候変動適応法案」が国会に提出されました。
地球温暖化問題は既に「待った無し」の対応が求められる水準にあります。
ここ最近は毎年「過去最高の…」「観測史上最大の…」といった事象が発生しています。
地球の温度を上昇させる温室効果ガス。それには大気中の二酸化炭素濃度が大きく関係しています。
本書によると、人類にとっての「安全」レベルは350ppm。産業革命前の280ppmから、2006年には382ppm、そして2017年3月には、史上最高の409.5ppmに達したということです。
また本書によると、1980年から2016年の間で気温の高い順に17まで並べると、そのうち16年は直近17年間のうちに起こっているとのこと。そして最高気温の年は2016年、2番目に気温の高かったのはその前年、3番目はそのさらに前年。つまり、毎年「史上最高気温」を更新中ということ。
気温の上昇は様々な変化をもたらします。異常気象、自然災害、生態系の変化…
熱波や大規模ハリケーン、干ばつも発生しており、実際に多くの犠牲者も出ています。
本書によると、2016年にインドで400人の農民が干ばつのため自ら命を絶ちました。また、2015年、パキスタンでの熱波は2000人以上の命を奪いました。
果たして10年後、20年後にはどうなっているのでしょうか?
そうやって世界レベルで向き合うべき喫緊の課題。
のはずですが、どうでしょうか。
「地球温暖化」という言葉はよく聞くし、意味も大体理解している。けれども、だからといって毎日の生活が特段変わるわけでもない。きっと明日からも、今日と同じ生活を送るだろう。
そんな方も多いのが実情ではないでしょうか。
個人的には
①当事者意識の欠如
②慣れ
上記の2点が要因であると考えます。
まず①について。
こと日本に関しては、今後数年で日本列島が海に沈むとか、熱波で犠牲者が大勢出るとか、干ばつで人や家畜が犠牲になるなど、すぐにはイメージできる人は少ない。
つまり、今現在不自由なく生活できているが故に、「温暖化」を自分事としてとらえることが困難なのだと思います。
2つ目は「慣れ」
正直、「観測史上最高気温」や「観測史上最高雨量」などの文言に慣れてしまったのではないでしょうか。
本書のデータでは、先に述べたようにここ17年、ほぼ史上最高気温を更新し続けています。
つまり、ここ最近は毎年「史上最高気温」を経験しているわけですね。
けれども、今日もこうやっていつも通り生活して、また明日を迎えようとしている。
温暖化の危機感を感じながら「史上最高気温」のニュースを見ることができないのです。
けれども確実に地球は変化しています。
よく「地球を守るため」という言葉を耳にすることがありますが、個人的には違和感を感じます。
地球は変化しますが、別に私達人類に守ってもらわなくとも、自浄作用が働きます。つまり、地球にとって害悪である人類を滅ぼすことで、地球は、地球にとって最も適切な状態へと進んでいくでしょう。
現に、地球の自浄作用が働きつつあります。大規模自然災害は、地球の異変ではなく、地球の自浄作用です。
地球のエコシステムにおいて、人類が必要のない存在となりつつあるのではないでしょうか。
我々は淘汰されるべき存在なのか。
多分このまま、石油エネルギーをバンバン使い、二酸化炭素を排出し続ければ、その道を辿っていくことになるのでしょう。
しかし、別の道を歩む、つまり、これからも地球で人類が生存し続けたいのならば、これまでとは違う選択をしなければなりません。
それには、国や企業の利害関係などを超越した「共通認識」が必要です。
新興国から先進国まで、多くの利害関係を超えて、温暖化問題に取り組むことはとても難解な問題です。
ですが、今日も確実に温暖化は進行しています。
そういった中での今回の「気候変動適応法案」の国会提出。
今後の具体策の策定も含めて、着実に進めていきたいですね。
そして、私達個人レベルでできることは何か。そういった議論が、より活発に行われるべき段階に入ってきているのは確かです。