足るを知る
備忘録①
「波瀾の時代の幸福論〜マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る〜」
ジョン・C・ボーグル【著】
バンガードの創始者ボーグル氏の著書。
マネー、ビジネス、人生の3項目について、ボーグル氏の自論が展開されている良書。
今でこそ低コストインデックスファンドのリーダー的存在となったバンガードだけど、その精神は創業から一貫していることがよく分かる一冊。
マネーについては、低コストインデックスの優位性について、投資初心者の方でも分かるように書かれてますね。
私がこの本を手に取ったのは確か5年前くらい。当時、資産運用の大半を積立投信で行っていたけど、ほとんど毎月分配型のアクティブファンドという有様でした(今考えたらものすごい機会損失!)
そんな中、市場全体にまるっと投資をする(あくまで簡易的な表現ですが笑)インデックスファンドの優位性、運用中のコスト意識の重要性について意識させられたのでした…
それ以来、私の家庭内ポートフォリオについてかなり見直しをして…
…というマネーの話はまた別の本のまとめでするとして、今回はこの本の「人生」についての記述について、考察したいと思います。
ボーグルが主張する「足るを知る」ということについて。
そもそもこの命題を考える前に、足るとは何があれば足るとなるのか、そして、そもそも自分にとっての幸福とはなんなのかを考える必要がある。
当書籍の中で、心理学者が定義する幸福について、以下の3つが挙げられている。
1自主性
2ほかの人間との関係を維持すること
3能力を活かすこと
幸福についてはアマルティア・センのように経済学と絡めて考察している学者もいます。
目に見えない概念だからこそ、色々な考えがあると思います。
そういった「幸福」をたくさんたくさん感じることができれば、それが果たして「足る」ということなのか?
そもそも誰にとっての「足る」なのか?
ボーグル氏は、本書の中で
「いまの私たちにとって、この社会が存在感と影響力を維持し、さらに拡大していくために十分な金があるかどうかが問題なのではない。品性、慎み深さ、美徳が足りているか、それこそが問題なのだ。」
と述べられています。
いずれ他の書籍のまとめでも取り上げていきたいですが、現在、いわゆる「お金」の価値はどんどん下がっています。
そのような中で、どうやって生きていくか。生きていくべきか。それは、別の本に指針がでていました、またまとめます笑
話を戻して「足る」とはなんなのか。どうしたら足るを知ることになるのか。
誤解すべきでないのは「足るを知る」イコール「向上心を持たずに現状に満足すること」ではないということだと思う。正直バランスの問題だと思う。
日々の生活の中で、ちょっとしたことに喜びや感謝を感じられるか?
幸せは目指すものではなく感じるものか?
過去でも未来でもなく「今」を真剣に生きていれば、目の前の幸せに気がつく機会が増えるのか?
多くの偉人の言葉の断片について、懐疑的な気分になる時だってあるかもしれない。
けれども。
そうやって考えられるということは
そうやって疑問を持つということは
自分なりに自分の幸福について考えることができているということ
答えはすぐにでなくても
生きているということは間違いなくそれだけでとても幸福なことだと思う
生きていれば
なんだってできる
極端な話
明日から仕事をサボって1年間南国に遊びに行くことだってできる
全てをほっぽりだして、一日中漫画を読むことだってできる
とにもかくにも
明日の自分の行動を決めるのは
自分
平凡な毎日が待っているわけではなくて、「自分の選択」の結果が自分の毎日をつくる
自分の選択の連続が、自分の人生をつくる
幸福について今ひとつピンとこなければ、とにかく「今」に集中すること
「今」に集中すると
目の前のことに集中すると
小さな事が見えてくる
いろんなことに気がつき出す
その些細な物事の中から「感謝」「嬉しいこと」などを見つけだす努力をすること
きっとそれが「足るを知る」に繋がる一歩な気がする
そんな気がする今日この頃であります…